19May
今回は「嘔吐反射(おうとはんしゃ)」についてちょっとまとめてみましょう。
嘔吐反射というのは何かと言えば、口の中の、のどの近くに異物の刺激を感じることで、反射的にオエッと吐きたくなる反応のことです。
これは人間誰しも持っている反応なのですが、その反応が強いと少しの刺激でも常に吐きたくなる衝動が起こるために、辛く感じている人も少なくありません。
例えば、歯ブラシで歯を磨くという行動をするだけでも、前歯ならまだしも奥歯のほうへブラシを入れた瞬間に吐きたくなる衝動が起こって苦しい思いをすることになります。
歯の裏側を磨くのが怖くて怖くて、歯磨き自体が恐怖の対象になってしまうという人もいます。
悲しいことに、嘔吐反射の強い人は歯磨きが不十分になり、虫歯になって歯科医院に行くことになる確率が上がります。
でも今度は歯科医院でいろいろな器具を入れられることになるわけですから、考えただけでも恐怖になって、今度は虫歯や歯周病菌で歯を失ってしまう確率が高くなってしまいます。
そして最終的に入れ歯になっても、今度は入れ歯の刺激で嘔吐反射が起こってしまい、食事もままならない状態になってしまっているという実例もあります。
嘔吐反射は本人のせいではないのに、あまりにも悲しい事実ですよね。
嘔吐反射自体は病気ではなく、異物を体内に入れないようにガードするための生理反応です。
なるべく起こさないようにするためには、刺激物の摂取を控えたり、気分的に緊張し過ぎないように心がけることが必要だと言われています。
歯科医院での治療にあたっては、診察の前に嘔吐反射が強いことを申告しておくと良いでしょう。
良心的な歯科医院なら、そうした患者さんへの対応もノウハウがあるはずです。
また、歯科医としっかりコミュニケーションを取って信頼関係を築くことも嘔吐反射を抑制することにつながります。
無理に我慢せず、口に異物が入る時には鼻から大きく息を吸う練習をしましょう。
入れ歯による嘔吐反射に関しては、とにかく入れ歯のサイズが合っていないことが考えられます。
嘔吐反射が起こるような入れ歯を作ってそのままということ自体、ちょっと有り得ませんよね。
自由診療にはなってしまうかもしれませんが、上顎にあたる部分素材の厚みや大きさを工夫することで、嘔吐反射の起こらない入れ歯を作ることは可能だと思います。
歯科医院自体苦手とおっしゃるかもしれませんが、まずはきちんと違和感なく使える入れ歯を作りましょう。
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