13Jun
前歯に入れ歯を入れると出っ歯になって会話がしにくいと感じている人が少なくないようです。
補綴歯科医として考えると・・・「入れ歯を入れたから出っ歯になる」ということは、ちょっと考えにくいですね。
まったくその方に合わないサイズ(高さ)の入れ歯なのか、入れ歯の歯並びがおかしいのか、それともなんらかの違和感が口の中にあって、まるで歯が邪魔をしているように感じるのか・・・何が原因なのかは、その方を実際に診察してみないと判断は難しいですね。
ただ、長年入れ歯嫌いで歯の無いまま生活されていた方の場合、歯がない状態に慣れてしまって、前歯がとても大きく、邪魔者のように感じられることはあると思います。
唇の内側は常に歯と接触しているものですし、通常はそこに意識を持っている人はおられないでしょう。
無意識的にその感覚が正常だと思っているところに、違う感覚が入り込むと、とても大きな違和感につながる場合はあります。
特に口の中は髪の毛1本入っただけで非常に大きな違和感を感じるくらい敏感でデリケートな部位ですから、無かった歯がいきなり入れば、とても大きな異物が入っている気持ちになっても不思議ではありません。
ただし、唇をきちんと閉じることが出来ないとか、どうしても発音が出来ない音があるとか、無理に合わせようとすると外れてしまうといった不具合があるのであれば、個人的な見解ですが、どうにも合わない入れ歯を作ってしまったように思います。
もしくは作ってから何年も経っていて、一度もメンテナンスをされていないケースかもしれませんね。
初めて総入れ歯を作られた場合には、やはり使いこなすまでにはある程度慣れも必要ですし、話す時の練習も必要になります。
ただ、入れ歯がきちんと合うものであればちゃんと使えるようになりますし、食べたいものを食べて、思い切りお喋りして、笑って歌って問題のない生活になります。
どうしても出っ歯の違和感が取れないという場合は、入れ歯を作られた歯科医院に早めに行って相談するか、うまく対応してもらえないようであれば他の歯科医院に行ってみる必要があるでしょう。
ただ、半年以内の場合、保険適用では入れ歯を新たに作ることは出来ません。
これは歯科医がいじわるをしているわけではなく、国の健康保険のルールなので、致し方ないことだとご理解下さい。
入れ歯は自分の身体の一部ですから、機能はもちろん、見た目の美しさや自分との馴染み方もとても大事なものです。
入れ歯を入れると出っ歯になるなんて、そんなことはあってはいけないことだと思って下さいね。
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