30Sep
入れ歯を造る期間がどれくらいかかるのかを気にしておられる患者さんも多いようですね。
確かに歯を失った状態で生活するというのは非常に過酷です。
でも、あまりにも「早く!早く!」と思われ過ぎて、簡単に入れ歯を作ってくれる歯科医院が良い歯科医院だと思ってしまうのはいかがなものでしょうか。
お一人おひとりの口の中の状況は全部違いますから、一概にどれくらいの期間が早い遅いとは言えませんが、少なくとも噛み合わせなどの細かい検査も行わずにあっという間に本入れ歯を作ってしまうというのは、あまりにもひどい対応だと言わざるを得ません。
入れ歯の作り方や手順については、特に自由診療になると各歯科医院で対応がバラバラになります。
例えば当院では、まず仮の入れ歯を作って入れ歯トレーニングを行いながら、時間をかけて調整して行くという方法を取っています。
これは本入れ歯を造る前段階の準備としてとても重要なことなのですが、仮とは言えひとまずは歯の無い状態で生活する期間を短くすることにもつながりますので、患者さんのストレスを軽減することにもつながると思います。
いきなり本入れ歯を作って結局すぐに合わなくなるのでは本末転倒ですし、慎重に合わせを行う間中、ずっと歯の無い生活を強いるのもあまりに辛いですよね。
最終的に本入れ歯製作に移れる段階まで来れば、仮の入れ歯でも十分機能するものになっていますから、スペアとして使うことも出来るレベルになっています。
もう一つ重要なのは、最初に拝見した時に治さなければいけない箇所があるかどうかによっても、入れ歯を作れる期間が変わるということです。
虫歯は治療が必要ですし、歯周病などがある場合は治療方針を検討しなければいけない場合もあります。
もしそこで新たに抜歯ということになれば、抜歯した部位が安定するまでは入れ歯の作業にはかかれません。
ずっとコンスタントに歯科医院に通ってメンテナンスしていた人ならこうした問題は起こりにくいのですが、ずっと放置していた人の場合には、とても長い治療期間が必要となる場合もあるのです。
入れ歯は、現在の口の中の状況を確認して、当院の場合は全身の歪みまでチェックして、本当に正しい噛み合わせになるかどうかを調整してから製作します。
そして本入れ歯を入れてからのメンテナンスだけでも、3ヶ月から6ヶ月はかかります。
製作から実際に使いこなせるようになるまで、全体的な治療は年単位でみておいたほうが良いでしょう。
それでこそ本当に正しい入れ歯を手に入れられます。
関連記事
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。