31May
入れ歯というのは主に食べる機能を回復するためのものと考えている方もいるかもしれません。実際に入れ歯は食べる機能を取り戻すのに非常に重要なものです。総入れ歯の場合、噛む力は本来の4分の一程度に落ちると言われていますが、まったく歯がない状態よりはましです。とはいえ入れ歯の働きはそれだけではないのです。
歯というのは普段から食べるためだけに働いているわけではありません。食べること以外の大きな働きが、話すことです。歯は口内の息が漏れてしまうということを防いでいるのです。ですから初めて入れ歯を付けた時には話す練習が必要になるかもしれません。ある程度慣れるまではふと話をしている時に入れ歯がずれて飛び出してしまったり、うまく話せなくなってしまったりします。また入れ歯をすると口内の容積が変わり発音がしにくくなることがあります。特にサ行とタ行は上の前歯に舌先をつけて発音するため入れ歯によって発音が難しくなるのです。
入れ歯で練習が必要なのは話すことだけではありません。口の中に自分の身体とは違う異物が入っているわけですから、付け初めのころはツバが呑み込みにくくなったり、食べ物を飲み込むのが難しくなったりします。また食べ物や飲み物の温度や味に対して鈍感になったように感じることもあります。さらに気持ちが悪くなったり吐き気を覚える人もいます。中には食事や会話の途中にいきなり外れてしまって恥ずかしい思いをしたという方もいるかもしれません。こうした人は一定時間入れ歯をつけて徐々に体を慣らしていくという練習が必要になります。もし物を食べるときに痛みがあるという場合にはすぐに入れ歯を作った歯科医のところに行って調整をしてもらいましょう。
加えて最も基本的なこととして、付けたり外したりする練習が必要になります。入れ歯は部分入れ歯と総入れ歯でつけ方が異なります。今まで部分入れ歯だったけれど総入れ歯に変えたという方は、新たに入れ歯をつける練習が必要になるでしょう。中には舌を使って入れ歯を外す人もいますが、これは入れ歯を構成する部品の寿命を縮める恐れがあるのでしない方が賢明です。上手につけたり外したりすることができるようにしっかりと練習するようにしましょう。
もし上手に物が呑み込めなかったり取り外しができないといった場合には、すぐに専門医のところに行ってアドバイスを求めるようにしましょう。入れ歯はこれから長い間付き合っていかなければならない大事なものですから、しっかりと使いこなせるように練習を重ねるようにしたいものです。
くろさき歯科では入れ歯を作った後のアフターフォローも行っております。気になることがあればお気軽にご相談ください。
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